健康診断の結果が届いて、「去年より数値が上がっている」「判定にBやCがついている」と気になったことはありませんか。
結果表には、血圧、血糖、コレステロール、肝機能など、たくさんの項目が並んでいます。ひとつ数値が高いだけでも不安になりますが、結果を見るときは、その数字だけに注目するよりも、全体の判定や前年からの変化も一緒に確認すると、自分の状態が見えやすくなります。
今回は、健康診断の結果が気になったときに、まず見ておきたいポイントと、生活習慣を振り返るときの考え方を紹介します。
健康診断の結果は、まず3つを確認する
結果表を開くと、つい基準値から外れている数字を探したくなります。
その前に、まずは「判定」「前年からの変化」「受診についての指示」の3つを確認してみましょう。
最初に判定を見る
健康診断では、「異常なし」「経過観察」「要再検査」「要精密検査」「要受診」などの判定が示されます。
A・B・C・Dといった記号で表されることもありますが、記号の意味や判定区分は健診機関によって異なります。結果表についている説明を一緒に見ておくと分かりやすいでしょう。
この段階では、「基準値から少し外れているから病気だ」と考えるよりも、健診機関からどのような判定を受けているのかを確認する方が先です。

「基準値から外れてる!」と数字だけを見るより、まずは判定と、去年からの変化を見てみましょう。
去年の結果と比べてみる
今回の数値だけでなく、過去の結果が残っていれば並べて見てみます。
たとえば
・血圧が毎年少しずつ上がっている
・体重や腹囲が増えてきた
・HbA1cが去年より高くなった
・LDLコレステロールが数年続けて高めになっている
といった変化が見つかることがあります。
厚生労働省の健診プログラムでも、検査結果はその年だけでなく、経年変化を確認しながら見ることが示されています。
健康診断では、「今回の数値」だけではなく、
・どんな判定だったか
・去年と比べてどう変わったか
・複数の数値に変化がないか
まで見ておくと、結果を整理しやすくなります。
再検査や受診の案内は後回しにしない
「要再検査」「要精密検査」「要受診」などの判定が出ているときは、結果表の案内に沿って医療機関へ相談します。
健康診断は病気を確定するための検査ではありません。そのため、数値が高かったからといって、すぐに病気と決まるわけではありません。
一方で、血圧や血糖などは自覚症状がほとんどないまま変化していることもあります。
「体調は悪くないから、来年の健診まで様子を見よう」と自己判断せず、受診を勧められている場合は、結果表を持参して確認してもらうと安心です。
気になる数値は、この4つから確認する
健康診断には多くの検査項目がありますが、生活習慣との関わりが深く、結果表でもよく目にするのが、血圧・血糖・脂質・体重や腹囲です。
厚生労働省の特定健診では、生活習慣の見直しにつなげる「保健指導判定値」と、医療機関での確認を考える「受診勧奨判定値」が示されています。
| 項目 | 保健指導判定値 | 受診勧奨判定値 |
|---|---|---|
| 収縮期血圧 | 130mmHg以上 | 140mmHg以上 |
| 拡張期血圧 | 85mmHg以上 | 90mmHg以上 |
| 空腹時血糖 | 100mg/dL以上 | 126mg/dL以上 |
| HbA1c | 5.6%以上 | 6.5%以上 |
| LDLコレステロール | 120mg/dL以上 | 140mg/dL以上 |
| HDLコレステロール | 40mg/dL未満 | ― |
| 中性脂肪(空腹時) | 150mg/dL以上 | 300mg/dL以上 |
※厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」より。これらは特定健診で使われる判定値です。実際の結果は健診機関の判定や、治療中の病気なども含めて確認してください。
血圧|健診のときだけ高くなることもある
血圧は、緊張や睡眠不足、気温、測定した時間などによって変動します。
そのため、健診で高めだった場合には、家庭でも測ってみると普段の血圧を知る手がかりになります。
日本高血圧学会では、診察室で140/90mmHg以上、家庭血圧では135/85mmHg以上を高血圧の基準としています。
血圧が以前より上がってきたと感じたら、塩分の多い食事、飲酒量、運動不足、体重の変化なども振り返ってみるとよいでしょう。
血糖値・HbA1c|最近の食生活を振り返るきっかけに
血糖の項目では、「空腹時血糖」と「HbA1c」をよく目にします。
空腹時血糖は採血したときの血糖値、HbA1cは過去1~2か月程度の血糖の状態を反映する指標です。
特定健診では、空腹時血糖100mg/dL以上、HbA1c5.6%以上が保健指導判定値となっています。
なお、健診で一度高い数値が出ただけで糖尿病と診断されるわけではありません。糖尿病の診断では、血糖値やHbA1c、再検査の結果などを組み合わせて判断します。
血糖が気になると、「甘いものを食べすぎたかな」と考えがちですが、食事量や間食、甘い飲み物、体重の増加、運動量なども一緒に見ていきます。
コレステロール・中性脂肪|ひとまとめにせず項目を見る
脂質の検査では、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪などが表示されています。
LDLコレステロールは高すぎること、HDLコレステロールは低すぎることが問題になります。日本動脈硬化学会では、LDLコレステロール140mg/dL以上、HDLコレステロール40mg/dL未満などを脂質異常症の診断基準としています。
「コレステロールが高かったから、この食品をやめよう」と一つの食べ物だけに注目するより、普段の食事や運動、体重、喫煙などをまとめて振り返った方が、見直せるところを見つけやすくなります。
体重・BMI・腹囲|去年からの変化にも注目する
体重そのものだけでなく、BMIや腹囲が記載されていることもあります。
特に見ておきたいのは、「去年と比べて変わっているか」です。
「数キロ体重が増えた」「ズボンのウエストがきつくなった」という変化と同じ時期に、血圧や血糖、脂質の数値も変わっていることがあります。
反対に、意図せず体重が減っている場合も、体調の変化として確認しておきたいところです。
肝機能や腎機能も、判定と合わせて確認する
AST・ALT・γ-GTなどの肝機能、eGFRなどの腎機能も健康診断でよく見かける項目です。
お酒や体重、生活習慣が関係する場合もありますが、それだけが原因とは限りません。
このあたりは数値だけを見て自分で原因を決めるより、判定や医師のコメントも一緒に確認します。再検査や受診の案内がついていれば、その指示に沿って確認してもらいましょう。
数値が気になったら、最近の暮らしを振り返る
健康診断をきっかけに生活を見直そうと思っても、食事、運動、睡眠……と全部を一度に変えるのはなかなか大変です。
まずは、「この半年くらい、どんな生活をしていたかな」と振り返るところから始めると、自分なりの見直しポイントが見つかります。
食事は「何を禁止するか」より普段の食べ方を見る
健康診断の数値が気になると、「揚げ物をやめよう」「ご飯を減らそう」と、特定の食品を控えることから考えがちです。
その前に、普段の食事を少し広く見てみます。
・外食や惣菜が増えていないか
・麺類の汁を飲むことが多くないか
・間食や甘い飲み物が習慣になっていないか
・夕食の時間が遅くなっていないか
・野菜や魚、豆類を食べる機会が減っていないか
・お酒の量や回数が以前より増えていないか
こうして並べてみると、「最近、昼食が麺類ばかりだった」「仕事帰りに毎日お菓子を食べていた」など、思い当たるところが出てくることがあります。

「何を食べてはいけない?」より、「最近どんな食べ方が続いていた?」と考えると、見直すところが見つけやすくなりますね。
体を動かす時間が減っていないか
「運動しなければ」と考えると、ジョギングや筋トレのような運動を思い浮かべるかもしれません。
でも、健康診断をきっかけに振り返るなら、まずは日常の活動量でも十分ヒントになります。
以前は通勤で歩いていたのに車移動が増えた、買い物もネットで済ませることが多くなった、休日は家で過ごす時間が増えた――。こうした変化が重なると、知らないうちに体を動かす時間が減っていることがあります。
散歩をする、少し遠い店まで歩く、家事でこまめに動くなど、自分の生活に入れやすい方法から考えてみます。
睡眠・飲酒・喫煙も一緒に振り返る
健康診断というと、食事と運動ばかりに目が向きやすいですが、睡眠、飲酒、喫煙なども健康状態と関わります。
忙しい時期が続いて睡眠時間が短くなったり、ストレスから晩酌の回数が増えたりすることもあります。
「数値を下げるには何をすればいい?」とすぐ答えを探すより、最近の暮らしを一度整理してみる。
その中で気になる習慣が見つかれば、そこが見直しの入口になります。
まとめ|健康診断の結果を、今の暮らしを知るきっかけに
健康診断の結果を見ると、基準値から外れた数字ばかりが気になってしまうことがあります。
そんなときは、ひとつの数値だけを見るのではなく、まず判定を確認し、去年からどう変わったのかを比べてみると、結果を整理しやすくなります。
血圧、血糖、脂質、体重などに変化があれば、最近の食事や運動、睡眠などを振り返ってみる。その中から、「ここは少し変えられそうだな」と思えるところが見つかることもあります。
そして、再検査や受診を勧められているときは、生活を見直すこととは別に、医療機関で一度確認してもらうことも忘れずに。
毎年の健康診断は、自分の体の変化を定期的に知る機会です。結果表をしまい込む前に少しだけ見返して、これからの健康管理に役立てていけるといいですね。




