「なかなか寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「寝ているはずなのに疲れが取れない」
年齢を重ねると、こうした睡眠の悩みを感じることがあります。
最近よく眠れない、朝すっきり起きられないと感じているなら、一度、普段の睡眠習慣を振り返ってみましょう。
年齢を重ねると睡眠はどう変わる?
若いころは朝までぐっすり眠れたのに、最近は夜中に目が覚めるようになった。そんな変化を感じることはありませんか。
睡眠の時間や深さは、年齢とともに少しずつ変化していきます。
まずは、どのような変化が起こりやすいのかを見ていきましょう。
年齢とともに眠りが浅くなるのは自然な変化
年齢を重ねると、若いころより眠りが浅くなり、夜中に目が覚めたり、朝早く目覚めたりしやすくなります。
「以前は朝までぐっすり眠れたのに」と気になるところですが、こうした変化だけで、睡眠に問題があるとは限りません。
注目したいのは、昔と同じように眠れているかではなく、今の睡眠で休養がとれているかです。
途中で目が覚めても再び眠れて、朝にある程度休めた感覚があり、日中も普段どおり過ごせているなら、年齢に伴う睡眠の変化として考えられる場合があります。
一方、何度も目が覚めて眠れない、朝から疲れている、日中に強い眠気があるなど、生活に影響が出ている場合は、睡眠時間だけでなく別の原因にも目を向けていきます。
睡眠は「何時間寝たか」だけで考えない
「毎日7〜8時間は寝たほうがいい」など、睡眠というと時間が気になりがちです。
けれど、必要な睡眠時間には個人差があり、同じ人でも年齢や生活によって変わります。
そこで、睡眠時間とあわせて見ておきたいのが、「眠って休めた」と感じられているかどうかです。
自分に合う睡眠時間には個人差がある
必要な睡眠時間は、人によって違います。
同じ人でも、年齢やその日の活動量、体調によって変わるため、「毎日○時間眠らなければ」と数字だけで考えると、かえって負担になることがあります。
たとえば、以前より睡眠時間が短くなっていても、朝にある程度すっきり起きられ、日中も強い眠気がないなら、その睡眠時間が今の自分に合っている可能性があります。
反対に、長く寝ているのに疲れが取れない場合は、睡眠時間だけでは説明できないこともあります。
「睡眠休養感」にも目を向けてみよう
睡眠を考えるときは、「何時間眠れたか」だけでなく、眠って休養がとれたと感じられるかも大事な目安になります。これを「睡眠休養感」といいます。
朝起きたときに疲れが残っている、昼間に強い眠気がある、頭がぼんやりする。こうした状態が続いているなら、睡眠時間は足りていても、十分に休めていない可能性があります。
逆に、睡眠時間が少し短くても、朝に回復した感覚があり、日中を無理なく過ごせているなら、必要以上に「もっと寝なければ」と考えなくてもよい場合があります。
睡眠時間とあわせて、朝の回復感と日中の状態を見ることが、自分の睡眠を知る手がかりになります。
- 朝、ある程度すっきり起きられるか
- 日中に強い眠気がないか
- 疲れが翌日まで残っていないか
- 頭がぼんやりする時間が長くないか
まず見直したい5つの睡眠習慣

「早く寝るようにしている」「寝る前のスマホも控えている」など、すでに自分なりに工夫している方もいると思います。
それでも眠れなかったり、朝になっても疲れが残ったりするなら、ひとつの習慣だけではなく、一日の過ごし方を通して睡眠を見直すことも役立ちます。
ここでは、朝から夜までの生活の中で、改めて確認しておきたい5つのポイントを見ていきます。
朝起きたら光を浴びる
朝の光は、体内時計を整えるきっかけになります。
ただ、「朝日を浴びれば眠れる」という単純な話ではありません。夜の眠気は、朝からの過ごし方の積み重ねでつくられていくため、起きる時間が毎日大きくずれていると、夜になっても自然な眠気が来にくくなることがあります。
特に休日だけ朝寝坊が長くなる場合は、月曜日の朝がつらくなったり、夜の寝つきが悪くなったりすることもあります。
朝はカーテンを開ける、可能なら少し外に出るなど、起きる時間と光をセットで意識するほうが、生活リズムを整える助けになります。
日中は適度に体を動かす
眠れないとき、「夜どう過ごすか」ばかり気にしがちですが、実は日中の活動量も睡眠に関係しています。
運動というとウォーキングや筋トレを思い浮かべますが、まとまった運動ができなくても、買い物に歩いて行く、家事をする、外出の予定をつくるなど、日中に体を使う機会はあります。
一日中あまり動かずに過ごす日が続くと、夜になっても体が十分に「休むモード」へ切り替わりにくくなることがあります。
反対に、無理に激しい運動をすると疲れが残ることもあるため、眠るために頑張るのではなく、日中の活動と休息のメリハリをつくるという考え方が合っています。
昼寝は長くなりすぎないようにする
夜によく眠れないと、昼間に眠くなり、つい長く昼寝をしたくなります。
ただ、昼寝が長くなるほど、夜にたまるはずの眠気が弱くなり、また夜に眠れないという流れになることがあります。
「昼寝は絶対にしない」と我慢する必要はありませんが、夕方まで眠ってしまう、ベッドで長時間眠ることが続いているなら、一度見直してみてもよいポイントです。
大事なのは昼寝そのものではなく、昼の眠気を補うための睡眠が、夜の睡眠を邪魔していないかという視点です。
入浴や寝室の環境を整える
寝室を暗くする、室温を調整する、入浴する。こうした方法はすでに試している方も多いと思います。
それでも眠れないときは、「環境を整える」だけでなく、寝床で過ごしている時間そのものにも目を向けてみます。
眠れないから早めに布団に入り、朝もできるだけ長く横になっていると、実際に眠っている時間より寝床にいる時間のほうが長くなります。すると、「布団に入っているのに眠れない時間」が増えて、眠ることへの焦りにつながる場合があります。
寝室は「長く休む場所」ではなく、眠くなったら眠る場所として使えているかという見方も、睡眠を振り返るヒントになります。
寝る前のスマホ・カフェイン・お酒との付き合い方を見直す
「寝る前のスマホはよくない」「夕方以降のカフェインは控える」といったことは、すでに知っている方も多いでしょう。
ここで意識したいのは、全部をやめることではなく、自分の場合、何が睡眠や翌朝の疲れに影響しているかを確かめることです。
たとえば、スマホを見る時間を短くしても変化がなければ、カフェインをとる時間や量、お酒を飲んだ日の夜中の目覚め方など、別の要因に目を向けてみます。
特にお酒は寝つきをよく感じさせる一方で、眠りが浅くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりすることがあります。
一度に全部変えるより、ひとつずつ試して、「何をした翌朝は少し楽だったか」まで見ると、自分に合う習慣が見つけやすくなります。

眠れたかどうかだけでなく、“翌朝どうだったか”まで見ると、自分に合う工夫がわかりやすくなります
生活を見直しても眠れないときは相談を
睡眠習慣を見直しても眠れない状態が続いたり、十分寝ているはずなのに疲れが取れなかったりする場合は、生活習慣以外に原因があることも考えられます。
「年齢のせい」「もう少し様子を見よう」と抱え込まず、つらさが続くときは医療機関への相談も選択肢に入れてみましょう。
日中の生活に影響が出ているとき
「眠れない」という夜の状態だけでなく、翌日の生活にどのくらい影響しているかも相談を考える目安になります。
朝から疲れが強い、日中に何度も眠くなる、集中しにくい、何をするにもおっくうに感じる。こうした状態が続いているなら、睡眠によって十分に休養できていない可能性があります。
特に、睡眠時間は確保できているのに疲れが取れない場合は、「もっと長く寝ればいい」とは限りません。体調や睡眠の状態を一度相談してみることで、原因を探るきっかけになります。
いびきや無呼吸など気になる症状があるとき
長く寝ても疲れが取れない、日中の眠気が強いという場合は、睡眠中に何度も呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」などが隠れていることもあります。
本人は眠っているため気づきにくく、家族から「いびきが大きい」「寝ているときに呼吸が止まっている」と指摘されて初めて気づくケースもあります。
また、夜間の頻尿や痛み、服用している薬などが睡眠を妨げていることもあります。
睡眠習慣を整えるだけでは改善しない原因もあるため、気になる症状が続いているときは、かかりつけ医などに相談してみましょう。
こんな状態が続くときは相談を
- 十分寝ても疲れが取れない
- 日中に強い眠気があり、生活に支障がある
- 大きないびきや睡眠中の無呼吸を指摘された
- 夜中に何度も目が覚め、眠れない状態が続いている
- 痛みや頻尿などで睡眠が妨げられている
まとめ
睡眠は、「何時間寝たか」だけでなく、朝の回復感や日中の過ごしやすさまで含めて考えることがポイントです。
眠れない、疲れが取れないと感じるときは、生活リズムや日中の過ごし方を振り返りながら、自分に合う睡眠のとり方を探していきましょう。
それでもつらさが続くときは、生活習慣だけで解決しようとせず、医療機関に相談することも選択肢です。


