認知症になったら介護保険はいつ申請する?申請の目安と利用までの流れ

介護と老後の準備

認知症と診断されたり、生活の中で困ることが増えてくると、「介護保険はいつ申請すればいいの?」と迷うことがあります。

申請の目安は、認知症の進み具合だけではありません。今の生活を続けるために、見守りや手助けがどれくらい必要になっているかも大きな判断材料です。

この記事では、介護保険の申請を考えたい生活の変化と、利用までの流れをわかりやすく紹介します。

認知症になったら介護保険はいつ申請する?

認知症と診断されたからといって、すぐに介護保険を申請しなければならないわけではありません。

申請を考える目安になるのは、本人の生活を続けるために、見守りや手助けがどれくらい必要になってきたかです。認知症では、歩いたり食事をしたりできていても、服薬やお金の管理、外出などで家族の支えが必要になることがあります。

「まだ自分でできているから」と判断するのではなく、家族の声かけや確認、訪問などが以前より増えていないかにも目を向けてみましょう。

次から、介護保険の申請を考えたい具体的な生活の変化を見ていきます。

介護保険の申請を考えたい生活の変化

介護保険を申請するか迷ったときは、認知症の症状だけでなく、日々の暮らしの中でどんな手助けが増えてきたかを見ると判断しやすくなります。

ここでは、申請を考える目安になりやすい生活の変化を具体的に見ていきます。

薬やお金の管理に手助けが必要になってきた

認知症の初期には、身の回りのことはできていても、薬やお金の管理が難しくなることがあります。

薬を飲み忘れる、同じ薬を何度も飲もうとする、公共料金の支払いを忘れる、同じものを繰り返し買うといった変化が見られたら、生活を支える手助けが必要になってきたサインのひとつです。

家族が薬を準備したり、支払いを確認したりすることが増えている場合も、本人が一人でできているように見えて、実際には家族の支援で生活が成り立っていることがあります。

買い物や料理など、日常生活の手助けが増えてきた

これまで普通にしていた買い物や料理にも、少しずつ手助けが必要になることがあります。

買うものを決められない、冷蔵庫に同じ食品が増える、料理の手順がわからなくなるなど、ひとつひとつは小さな変化でも、家族が一緒に確認する場面が増えていれば注意して見ておきたいところです。

「できるか、できないか」だけでなく、声かけや準備があればできる状態なのかという視点でも考えてみましょう。

外出や火の始末など、安全面の見守りが必要になってきた

道に迷うことが増えた、帰宅が遅くなった、火を消したか何度も確認するようになったなど、安全面の心配が出てくることもあります。

本人はこれまで通り生活しているつもりでも、家族が外出先を確認したり、帰宅の連絡を待ったり、火の元を確認したりしていることがあります。

こうした「何か起きないように見守っている時間」も、生活を支えるための負担として考えてみることが必要です。

道草さん
道草さん

バスの乗り間違い、増えていませんか?

家族の電話や訪問が増えてきた

一人暮らしを続けられていると、「まだ自分で生活できている」と見えやすいものです。ですが実際には、薬の飲み残し、支払い忘れ、同じ食品の買い足しなど、暮らしの中で少しずつ難しいことが増えている場合があります。

認知症があっても、会話では「ちゃんとやっているよ」「困っていない」と自然に答えられることがあります。そのため、電話で話しただけでは生活の変化に気づきにくく、家族も最初は「念のため」と連絡したり訪問したりすることが多いです。

ところが振り返ると、毎日の服薬確認、買い物の補充、予定の確認、郵便物の整理など、家族が何気なく補っていることが増え、その支えがあるから一人暮らしを続けられていることがあります。

気づきにくい生活の変化

  • 「食べている」と話すが、実際には食事が偏っている
  • 「薬は飲んだ」と話すが、飲み残しがある
  • 「支払いは済んでいる」と思っているが、郵便物がたまっている
  • 家族が買い物や予定確認をすることが当たり前になっている

介護サービスを使いたい場面が出てきた

「日中、一人で過ごすのが心配」「入浴を手伝ってほしい」「家族だけで支えるのが難しくなってきた」など、具体的に介護サービスを利用したい場面が出てきたら、申請を考えるタイミングです。

介護保険では、要支援・要介護の認定を受けたあとに、本人の状態や希望に合わせて利用するサービスを検討していきます。

必要になってから慌てないためにも、「そろそろ何か支援があったほうがいい」と感じ始めた段階で申請を検討すると、その後の相談もしやすくなります。

申請の目安は「できなくなったことの数」ではなく、今の暮らしを続けるために、見守りや手助けがどれくらい増えているか。

介護保険を申請してから利用するまでの流れ

介護保険を利用するには、まず市区町村の窓口で要介護認定を申請します。その後、認定調査や主治医意見書をもとに審査が行われ、要支援・要介護の区分が決まります。

認定結果が出たら、本人の状態や希望に合わせてケアマネジャーがケアプランを作り、デイサービスや訪問介護などの利用につなげていきます。

詳しい申請方法や介護保険のしくみは、こちらの記事で紹介しています。

まとめ

介護保険申請は、「認知症と診断されたからすぐ」「もっと症状が進んでから」と一律に決めるものではありません。

今の暮らしを続けるために、見守りや手助けがどれくらい増えているかをひとつの目安にすると、申請のタイミングを考えやすくなります。

判断に迷うときは、地域包括支援センターや市区町村の窓口に相談できます。まだ申請するか決めていない段階でも、今の状況を整理するところから相談して大丈夫です。