見守られ上手な高齢者になるために|元気なうちから始めたい5つのこと

介護と老後の準備

年齢を重ねても、できるだけ自分らしく、安心して暮らしていきたい。そう考える方は多いと思います。

そのために知っておきたいのが、福祉の現場や自治体の取り組みでもよく聞く、「見守られ上手」という考え方です。

この記事では、「見守られ上手」とはどんなことなのかを整理しながら、今からできることを5つ紹介します。

「見守られ上手」とは?

「見守られ上手」は、福祉の世界ではよく知られた考え方で、自治体のチラシや地域の見守り活動でも使われています。

年齢を重ねても安心して暮らしていくためには、困ったときに気づいてくれる人や、相談できるつながりを持っておくことがとても大切です。

高齢者の孤立や、困りごとを一人で抱え込んでしまうことを防ぐためにも、「見守られ上手」という考え方を知っておくと役立ちます。

見守られることは「監視されること」ではない

「見守られる」と聞くと、誰かにいつも行動を見られているようで、少し窮屈に感じる人もいるかもしれません。

でも、地域で行われている見守りは、毎日の生活を細かく確認するようなものではありません。

たとえば、近所の人が「最近顔を見ないな」と気づいたり、いつも開いているカーテンが閉まったままで気にかけたり。普段の暮らしの中で、いつもとの違いに気づいてもらえることも立派な見守りです。

お互いに挨拶を交わし、顔を知っている。そんな自然な関係があるだけでも、何かあったときの安心につながります。

元気なうちからつながっておくことが安心につながる

見守りというと、一人暮らしになったり、介護が必要になったりしてから考えるものと思われがちです。

けれど、人とのつながりは、必要になったからといって急につくれるものではありません。

近所の人と挨拶をする、趣味の集まりに参加する、行きつけのお店で顔なじみになる。元気なうちからそんな関係が少しずつできていると、年齢を重ねても孤立しにくくなります。

そして、困ったときに「ちょっと相談したい」と言える相手がいることは、大きな支えになります。

道草さん
道草さん

見守られ上手になる準備は、元気な今から始まっていると考えると、少し身近に感じられるのではないでしょうか。

見守られ上手になるために今からできる5つのこと

見守られ上手になるために、特別な準備をするわけではありません。

普段の暮らしの中で、周りの人と少しつながったり、自分のことを知ってもらったりすることが、いざというときの安心につながります。

ここでは、今から始めやすい5つのことを見ていきます。

近所の人と挨拶をする

まず始めやすいのが、近所の人との挨拶です。

「おはようございます」「今日は暑いですね」と言葉を交わすだけでも、少しずつ顔を覚えてもらえます。親しい付き合いをしなくても、「いつもこの時間に見かける人」と知ってもらうことが、自然な見守りにつながります。

毎日のちょっとした挨拶なら、お互いに負担も少なく続けやすいでしょう。

地域や外とのつながりをひとつ持つ

見守りにつながるのは、ご近所付き合いだけではありません。

趣味の集まりやサークル、ボランティア、行きつけのお店など、定期的に顔を出す場所があることもひとつのつながりです。

「毎週来ているのに今日は来ていない」「いつもより元気がない」と気づいてもらえることもあります。

たくさんの人と付き合う必要はなく、自分が無理なく通える場所をひとつ持っておくだけでも違います。

自分の生活を少しだけ周囲に知ってもらう

毎朝散歩をする、午前中にはカーテンを開ける、毎週決まった曜日に買い物へ行く。

そんな普段の生活を身近な人が少し知っていると、何かあったときに「今日はいつもと違うな」と気づくきっかけになります。

東かがわ市など、自治体の見守り活動でも、普段の生活の様子を周囲に知ってもらう工夫が紹介されています。
たとえば市の広報では、「今日からなろう、見守り上手・見守られ上手」という特集の中で、ご近所同士で普段の生活の“サイン”を共有しておくことを勧めています。

もちろん、何でも話す必要はありません。「いつもの自分」を知っている人がいることが、さりげない見守りにつながります。

困ったときに「助けて」と言えるようにしておく

「人に迷惑をかけたくない」と、困っていても自分だけで何とかしようとすることがあります。

けれど、小さな困りごとのうちに「ちょっと手伝って」「少し相談したい」と言えることも、見守られ上手のひとつです。

福祉の現場でも、困りごとが大きくなってから初めて相談につながるケースがあります。一方で、普段から周囲に相談できる人がいると、早い段階で必要な支援につながりやすくなります。

助けを求めることは、誰かに全部任せることではありません。

道草さん
道草さん

自分でできることを続けながら、難しいところだけ力を借りる。そんな頼り方もあると知っていただけたら、嬉しいです。

家族や相談先とゆるくつながっておく

いざというときに頼れる相手は、家族だけとは限りません。

友人や近所の人、民生委員、地域包括支援センターなど、身近なところにはさまざまな相談先があります。

「困ったらこの人に聞こう」「介護や暮らしのことで迷ったらここに相談しよう」と、いくつか思い浮かぶ先があると安心です。

すぐに何かを相談する予定がなくても、どこに頼れるのかを知っておくことが、これからの暮らしの備えになります。

見守りは一人の人に頼らなくていい

見守りは、家族や近所の誰か一人が担うものではありません。

家族、友人、近所の人、趣味の仲間、民生委員、地域包括支援センターなど、それぞれが少しずつ関わることで、ゆるやかな見守りの輪ができます。

たとえば、家族は電話で様子を知る。近所の人は普段の暮らしの変化に気づく。趣味の仲間は「今日は来ていないな」と気にかける。困りごとが出てきたときには、地域包括支援センターに相談する。

こうして役割が分かれていれば、見守られる側も気兼ねしすぎず、見守る側の負担も大きくなりにくくなります。

「この人に全部お願いする」ではなく、いくつかのつながりを持っておくことが、長く安心して暮らすための支えになります。

見守られ上手は、これからの自立にもつながる

年齢を重ねても、自分らしく安心して暮らすには、何でも一人で抱え込まないことが大切です。

近所の人と挨拶を交わす、外とのつながりを持つ、普段の生活を少し知ってもらう、困ったときには助けを求める。こうした日々の積み重ねが、「見守られ上手」につながります。

必要なときに周りの力を借りながら、自分で選び、自分らしい暮らしを続けていく。
それも、これからの自立のひとつです。

元気なうちからゆるやかなつながりを築いておくことが、将来の安心を支えてくれます。