80歳になっても元気な方はたくさんいます。
急いで話をする必要はありませんが、元気な今だからこそ話せることもあります。
親が大切にしていることや、いざという時のこと、これからのこと。
そんな視点で、少しずつ話しておきたい5つのことを紹介します。
親の健康や通院のこと
親の健康については、意外と知らないことが多いものです。
どこの病院に通っているのか、どんな病気を経験してきたのか、家族でも詳しく知らないことは少なくありません。
もちろん、すべてを把握しておく必要はありませんが、元気なうちに少し話を聞いておくと、いざという時の安心につながります。
まずは親の健康や通院のことから、気軽に話してみましょう。
どこの病院に通っていますか?
親がどこの病院に通っているのか、きちんと把握している方は意外と多くありません。
「内科に通っているらしい」「薬をもらっているみたい」と何となく知っていても、病院名までは分からないこともあるでしょう。
もちろん、普段から詳しく管理する必要はありません。ただ、かかりつけ医や定期的に通っている病院を知っておくと、体調を崩した時や入院が必要になった時に役立つことがあります。
病気の話は少し聞きづらく感じるかもしれませんが、「最近も病院に行っているの?」「先生には何て言われたの?」といった何気ない会話から始めてみるのもおすすめです。
これまでに大きな病気や手術をしたことはありますか?
今は元気に過ごしていても、これまでに大きな病気や手術を経験していることがあります。
親にとっては「昔の話」でも、家族にとっては初めて聞く話かもしれません。入院したことはあるのか、持病はあるのか、定期的に飲んでいる薬はあるのかなど、機会があれば聞いてみるとよいでしょう。
また、診察券やお薬手帳をどこに保管しているのかを知っておくことも大切です。普段は必要なくても、急な入院や体調不良の際に役立つことがあります。

親のこれまでの健康の歩みを知ることは、その人の人生を知ることにもつながります。
お金と大切な書類のこと
お金の話は、親子でもなかなか話しにくいものです。
ただ、通帳や保険証券などの大切な書類がどこにあるのかを知っておくだけでも、いざという時の安心につながります。
財産の金額を確認したり、管理したりする必要はありません。まずは「何があって、どこにあるのか」を少しずつ共有しておくことが大切です。
ここでは、お金や大切な書類について話しておきたいことをご紹介します。
通帳や保険証券はどこにありますか?
通帳や保険証券、年金関係の書類などは、普段使わないため保管場所を知らないことも少なくありません。
元気なうちは特に困りませんが、急な入院や体調不良などで手続きが必要になった時、「どこに何があるのか分からない」と家族が困ってしまうことがあります。
大切なのは、財産の金額を把握することではありません。どんな通帳や保険があるのか、そして大切な書類がどこに保管されているのかを、家族が何となく知っておくことです。

お金の話は話しづらいものですが、「もしもの時のために教えておいてくれると安心だな」くらいの気持ちで聞いてみると、意外と自然に話せるかもしれません。
もし入院したら、家族が確認できそうですか?
もし親が急に入院した場合、家族は必要な書類や連絡先を確認できるでしょうか。
入院の手続きや保険の申請、支払いの確認などが必要になっても、「どこの銀行を使っているのか分からない」「保険に入っているのか分からない」ということは意外とあります。
もちろん、キャッシュカードの暗証番号や財産の詳細まで知る必要はありません。ただ、何かあった時に誰が確認できるのか、大切な書類はどこにあるのかを共有しておくだけでも安心です。
普段は必要のないことだからこそ、元気なうちに「もし入院したらどうしようか」と気軽に話してみるのもよいでしょう。
その人らしい暮らしのこと
親の健康やお金のことも大切ですが、それと同じくらい大切なのが、その人らしい暮らしです。
毎日の散歩を楽しみにしている人もいれば、家庭菜園や趣味のサークル、友人とのおしゃべりが生きがいになっている人もいます。
年齢を重ねても、自分らしく暮らし続けるためには、そうした日々の楽しみや人とのつながりが欠かせません。
親がどんな毎日を送り、何を大切にしているのか。改めて考えてみると、意外と知らないことがあるかもしれません。
毎日の楽しみは何ですか?
親は普段、どんなことを楽しみにして過ごしているでしょうか。
旅行や園芸のような趣味だけでなく、毎朝の散歩や近所の方との立ち話、新聞を読むことなど、何気ない日課を楽しみにしている方もいます。
本人にとっては何気ない日課でも、「それを続けるために元気でいたい」と思える大切な時間になっていることもあります。
もし体調を崩したり、介護が必要になったりしたとしても、大切にしている楽しみや習慣を続けられることは、生活の質を保つうえでとても重要です。
「最近は何をしている時が楽しいの?」「これからも続けたいことはある?」そんな何気ない会話から、親が大切にしているものが見えてくるかもしれません。
大切な友人や地域とのつながりはありますか?
親しい友人や近所の方との付き合いは、年齢を重ねても大切なものです。
趣味の仲間と集まったり、町内会の活動に参加したり、行きつけのお店で顔なじみの方と話したり。
家族は普段の様子を知っているつもりでも、親がどんな人たちと関わり、どんな場所を大切にしているのかまでは知らないこともあります。
もし体調を崩した時や困りごとがあった時には、こうしたつながりが支えになることもあります。親しい友人や地域との関わりについて聞いてみると、親の新しい一面が見えてくるかもしれません。
困った時に頼れそうな人はいますか?
誰でも年齢を重ねると、これまでと同じようにできないことが少しずつ増えていきます。
そんな時に、家族以外にも頼れる人がいるかどうかは大切なことです。
近くに住む親族や親しい友人、近所の方など、困った時に相談できる相手がいるだけで安心につながります。普段は意識していなくても、買い物や雪かき、ちょっとした見守りなどで支え合っていることもあるでしょう。
「何かあった時、相談できそうな人はいる?」
そんな会話を通して、親を支えている人とのつながりが見えてくるかもしれません。
助けてもらうことについての考え
年齢を重ねると、少しずつ誰かの手を借りる場面が増えていくことがあります。
それは特別なことではなく、誰にでも起こりうることです。
ただ、「人に頼るのは苦手」「子どもには迷惑をかけたくない」など、助けてもらうことに対する考え方は人それぞれです。
助けてもらうことへの考え方を知ることは、その人らしい暮らしを考えるヒントにもなるでしょう。
誰かに手伝ってもらうことをどう思いますか?
年齢を重ねると、買い物や掃除、雪かきなど、これまで当たり前にできていたことが少しずつ負担になることがあります。
そんな時、「誰かに手伝ってもらうくらいなら無理をしてでも自分でやりたい」という方もいれば、「困った時はお互いさまだから頼りたい」という方もいます。
どちらが正しいということではなく、人によって考え方が違うのです。
例えば、家事を手伝ってもらうことや、介護サービスを利用することについて、どのように考えているのかを聞いてみると、その人が大切にしている価値観が見えてくるかもしれません。
普段の会話の中で、「もし困った時はどうする?」と気軽に話してみるのもよいでしょう。
子どもや親族、友人、介護サービスなど、誰にどのような形で手伝ってもらいたいかは人それぞれです。
自分で決められなくなった時はどうしたいですか?
年齢を重ねると、病気や認知症などによって、自分で大切なことを決めるのが難しくなることがあります。
そんな時に備えて、「もし自分で決められなくなったら、誰に相談してほしいか」「どんなことを大切にしてほしいか」を、少し話しておくのもよいでしょう。
もちろん、今すぐ答えを出したり、細かく決めたりする必要はありません。
ただ、親がどのような考えを持っているのかを知っておくだけでも、いざという時の大きな助けになります。
元気なうちだからこそ話せることとして、機会があれば話題にしてみてはいかがでしょうか。
もしもの時に大切にしたいこと
少し話しにくい内容かもしれませんが、元気なうちだからこそ話せることもあります。
延命治療のことや、最期を迎えたい場所のこと。すぐに答えを出したり、細かく決めたりする必要はありません。
ただ、「もしもの時にはこうしたい」という思いを知っておくことは、家族にとっても大切な手がかりになります。
難しく考えず、機会があれば少しずつ話してみるのもよいでしょう。
延命治療について考えたことはありますか?
延命治療については、考え方が人それぞれです。
できる限り治療を続けたいという方もいれば、自然な経過を望む方もいます。また、これまで考えたことがないという方も、きっと多いでしょう。
「延命治療を受けたい?受けたくない?」と結論を求める必要はありません。
テレビや新聞の話題などをきっかけに、「もしもの時はどう考えている?」と話してみるだけでも十分です。
すぐに答えが出なくても構いません。家族でそんな話をしてみること自体が、大切な時間になるかもしれません。
家族に伝えておきたいことはありますか?
家族に伝えておきたいことがあるかどうか、改めて聞かれる機会は意外と少ないものです。
それは葬儀やお墓のことかもしれませんし、大切にしている物やペットのことかもしれません。また、家族への感謝や、自分なりの思いを伝えたいと考えている方もいるでしょう。
もちろん、特に伝えたいことはないという方もいます。
そんな思いもまた、親が大切にしていることを知るきっかけの一つになるかもしれません。
親の気持ちを知ることが、いちばんの備えになる
ここまで、親が80歳になったら考えておきたい5つのことをご紹介してきました。
健康や通院のこと、お金や大切な書類のこと、その人らしい暮らしのこと、助けてもらうことについての考え、そしてもしもの時に大切にしたいこと。
どれも大切なことですが、すべてを確認したり、答えを決めたりする必要はありません。
大切なのは、親の財産を把握することではなく、親がどんな人生を送りたいと思っているのかを知ることです。
親の思いをすべて理解することはできなくても、その人らしさを知っておくことは、これから先の大切な支えになります。


